平内の23夜祭

昔々の12月23日、一人の漁師が漁をするために海に出ました。漁に夢中になり、気が付いたときは日も暮れて、辺りは真っ暗になってしまいました。どの方向に舟を漕げば島に戻れるのか全く解らなくなり、寒さに震え死を待つばかりの状態となってしまいました。あきらめかけたその時、23夜のお月様が昇り辺りを明るく照らし始めました。かすか向こうに屋久島の島影も見えます。漁師はこの月明かりのお陰で助かったのでした。以後、12月の23夜には、日と月の神様に感謝する23夜祭という神事が行われるようになったと聞きました。

旧暦の12月23日にあたる1月30日、屋久島は平内集落で23夜祭という神事が行われました。
夕方5時52分、日の入りから始まり、23夜の月が昇る翌日の午前1時ごろまで、集まった人たちが神様に感謝の意を表し、お酒やご馳走をいただき、楽しいひとときを過ごします。
写真は、集落から選ばれた神様役のお二人が、祭壇に向かってお祈りを上げているところです。神様役のお二人と、参加者の間はしめ縄で区切られていて、決してそこを越えてはいけない仕来たりがあります。
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祭壇にはいろいろなお供え物が置かれています。
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集落の人たちに聞いた話ですが、ちょっとご紹介します。
いろいろな野菜類と一緒に供えられている右上の変わった根っこのようなものは「とこーの根」または「ところの根」と呼ぶそうです。実際には食べられないようですが、根が四方八方に伸びるので、子孫繁栄を願って供えているとのことでした。
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こちらはお餅です。二つの大きなお餅はお月様(細長いほう)とお日様(まん丸のほう)を表しています。左隅にある中型の丸いお餅は全部で12個、沢山見える小さなお餅は全部で365個あります。それぞれ月と日の1年間を表現しているようです。それにしても準備される方は大変ですね(^^)
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こちらは、お皿の中に盛られた亀の手ですが、やはり12個です。亀の手は磯で獲れる貝の仲間ですが、形が亀の手に似ていることからそう呼ばれています。屋久島名物の一つでもあります。
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こちらは、12個のドングリの実です。ウバメガシの実だと思います。
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参加者の一人一人が神棚に拝礼したあと、神様役のお二人にも拝礼?し、お神酒を受けるのです。皆さん神妙な面持ちで神様役のお二人からお神酒(焼酎)をいただきます。
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参加者にはいろいろな料理が振舞られます。
見てください、このきれいなお吸い物。中にはエビや椎茸などと一緒におソーメンが必ず入っています。昔、ソーメンは屋久島では貴重な食べ物だったようで、神事のときに必ず出されます。
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そして、亀の手やお刺身、煮付けまで沢山のお料理が出されます。
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お酒をいただいた私を車で迎えに来たかあさんも、ちょっとだけ顔を出して神様に礼拝したあと、ご馳走になっていました。
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このような神事が続いているのは、ここが離島であり昔は楽しみが少なく、こういう機会を作って飲んだり食べたりすることを一番の楽しみにしていたのではないでしょうか。折角受け継がれてきた伝統行事ですから、これからも続けていってもらいたいものです。
でも、このような神事を続ける裏には、裏方さんとして集落の女性たちがお料理を準備したりの大変なご苦労があってのことということを忘れてはいけません。感謝!感謝
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この記事へのコメント

やっさん(web屋久島高平窯)
2008年02月02日 10:58
この祭礼の話し、簡単な話しであるがお面白い。
「ここは屋久島」の星空の写真もこの話しに合わせて掲載されて、芸が細かい。
それにしても、この祭事の料理の美味しそうなこと。
そうめんの吸い物が美味しそう。
でも甘いだろうな!
高平は開拓集落なので、故事、祭事がありません。
屋久島ジージ
2008年02月02日 13:22
そうめんのお吸い物、思ったより甘く無かったですよ、やっさん。薄味で美味しかったです。
高平は新しい開拓集落なのでこれから伝統を作っていくんですね。
スイミー
2008年02月02日 21:30
ジージさんのブログで屋久島の楽しい祭事がよくわかります。
いつも興味深く読んでます。ありがとうございます。
屋久島ジージ
2008年02月03日 05:28
ありがとうございます、スイミーさん。できるだけ、集落の祭事などには参加するように努めております。そうすることにより、より深く屋久島が理解できればと思っています。これからも、宜しくお願いいたします。